梅の実学園・なんでもマニュアル図鑑

生活に関するマナーや自己啓発、雑学を集めた教養ページです。

子どもの人権(その6)

前回は子どもの社会参加ついてお送りしました。

 

今回は子どもの多くが生活に直結する「教育」についてお送りしたいと思います。

第28条 (教育への権利)

1.締約国は、子どもの教育への権利を認め、かつ、漸進的におよび平等な機会に基づいてこの権利を達成するために、とくに次のことをする。

a.初等教育を義務的なものとし、かつすべての者に対して無償とすること。

b.一般教育および職業教育を含む種々の形態の中等教育の発展を奨励し、すべての子どもが利用可能でありかつアクセスできるようにし、ならびに、無償教育の導入および必要な場合には財政的援助の提供などの適当な措置をとること。

c.高等教育を、すべての適当な方法により、能力に基づいてすべての者がアクセスできるものとすること。

d.教育上および職業上の情報ならびに指導を、すべての子どもが利用可能でありかつアクセスできるものとすること。

e.学校への定期的な出席および中途退学率の減少を奨励するための措置をとること。

2.締約国は、学校懲戒が子どもの人間の尊厳と一致する方法で、かつこの条約に従って行われることを確保するためにあらゆる適当な措置をとる。

3.締約国は、とくに、世界中の無知および非職字の根絶に貢献するために、かつ科学的および技術的知識ならびに最新の教育方法へのアクセスを助長するために、教育に関する問題について国際協力を促進しかつ奨励する。この点については、発展途上国のニーズに特別 の考慮を払う。

この条では学校を中心とした教育の権利について書かれています。

 

aの初等教育は小学校のことを言います。初等教育は最低限必要な教育を行わなければならない学校です。

先進国も発展途上国も関係なく、全ての子どもに対して無償にしなければなりません。

ただ、「義務的なもの」が一番引っかかりますが、これは国が学校を整備したり、教育の予算を作成したり、地方や学校がカリキュラムを作ったり、給食などの学校生活の整備をしたり、親が子どもに学校を通わせるための税金や学校諸経費を納めたりなどをするもので、子どもを強制的に学校へ通わせるものではありません。

 

bの中等教育は中学校・高校のことを言います。小学校ほどの強制力はないもの、こちらも人間として、社会として活躍するために必要な教育を行うところです。

「すべての子どもが利用可能でありかつアクセスできるようにし、ならびに、無償教育の導入および必要な場合には財政的援助の提供などの適当な措置をとること」が書かれていますが、中学校では日本を含めた世界の8割が「義務教育」で、無償教育も行われています。

しかし、高校では一部の国を除き、義務教育ではありません。無償教育は海外のほとんどの国で行われていますが、日本では高校の無償教育がものすごく遅れています。

日本では2010年に民主党政府により法施行されましたが、それまでは高校生の子どもを持つ親たちはみんな授業料を払わなければなりませんでした。特に経済的理由で高校進学が難しい家庭はものすごく苦しい思いをされたと思います。しかし、自民党政府により、高校の無償化が一部廃止になりました。一部の高額所得の家庭だけが対象外となり、日本に住む外国の一部の子どもも対象外となりました。無償化は低所得の家庭などが存続となりました。対象外となった子どもは奨学金制度を導入すると言っていますが、奨学金は学校の成績が優秀でなければもらうことができません。海外とは逆行した教育を日本は行っているのです。日本は高校の無償教育を全員に行い、元の制度に戻すべきです!!そうでなければ、国際的にも問題になるでしょう。

 

cの高等教育は大学や専門学校などのことを言います。大学などの場合は無償教育が行われているのは一部の国だけで、ほとんどが学費が必要です。しかし、海外のほとんどの国では奨学金制度が充実しています。日本では奨学金制度が充実しておらず、学費も海外に比べて高額です。

日本の奨学金制度は貸付がほとんどで、卒業後は返済をしなければなりません。しかし、就職は30代以上の世代も含めて年々厳しく、大学卒業後に就職できなかった人たちがたくさんいます。アルバイトなどの非正規社員や人間関係などで転職を繰り返している人たちがものすごく多いのです。その人たちが奨学金の返済ができなくなり、大変苦しい思いをされています。日本は奨学金制度の見直しを行い、返済をしなくて済むような制度にするのと同時に、大学の学費も誰でも入れるような金額に改めるべきです!

 

eは不登校及び中退者の減少をしなければならない措置のことを指します。不登校や中退は経済的理由や学力や人間関係が合わないなどが多いですが、いじめなどの人間関係はとても深刻です。中にはあえて学校へ行かない子どももいます。国はそういった子どもに対し、転校や再入学、越境入学・進学の措置をしなければなりません。ただし、あえて学校へ行かない子どもを無理やり学校へ行かせてはなりません。

 

2は学校懲戒のことですが、これは問題のある子どもや親に対し、停学や退学などの処分をすることですが、処分に関しては慎重に行わなければなりません。体罰は論外です。

 

3は発展途上国の子どもに対して、他の国が学校の整備をしたり、読み書きができるような協力をすることを指します。

 

第29条 (教育の目的)

1.締約国は、子どもの教育が次の目的で行われることに同意する。

a.子どもの人格、才能ならびに精神的および身体的能力を最大限可能なまで発達させること。

b.人権および基本的自由の尊重ならびに国際連合憲章に定める諸原則の尊重を発展させること。

c.子どもの親、子ども自身の文化的アイデンティティ、言語および価値の尊重、子どもが居住している国および子どもの出身国の国民的価値の尊重、ならびに自己の文明と異なる文明の尊重を発展させること。

d.すべての諸人民間、民族的、国民的および宗教的集団ならびに先住民間の理解、平和、寛容、性の平等および友好の精神の下で、子どもが自由な社会において責任ある生活を送れるようにすること。

e.自然環境の尊重を発展させること。

2.この条または第28条のいかなる規定も、個人および団体が教育機関を設置しかつ管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし、つねに、この条の1に定める原則が遵守されること、および当該教育機関において行われる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。

この条では教育の目的について書かれています。

 

子どもはそれぞれの家庭の国や宗教、教育方針があります。国はそれを壊さないよう、子どもの才能や能力を向上させなければなりません。すべての子どもが同じ学校で同じ教育を受けさせることは画一化につながり、才能のある子どもの芽を摘んでしまいます。

才能や能力のある子どもは「飛び級」など早い段階から中等教育以上の学校に進学させることと、そうでない子どもに対しては子どもの心を傷つけないよう、わかるまで根気よく指導することです。子どもの教育が国の管理によって行うことはやめるべきです。教育は各地域・各学校が自由に行うべきです。

 

次回は様々な事件に巻き込まれた子どもの保護についてお送りします。

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*参考リンク*

子どもの権利条約ネットワーク:http://www.ncrc.jp/

日本ユニセフ協会子どもの権利条約):http://www.unicef.or.jp/crc/

 

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