前回は敬語の基本的な種類を紹介しましたが、今回は敬語にありがちな間違いや悪い言葉遣いについて紹介します。
*敬語にありがちな間違い*
1.尊敬語と謙譲語の混同
客「小学生の女の子のプレゼントを探しているんですけど…。」
店員「申し訳ございません。女の子の商品については、あちらでうかがっていただけますでしょうか?」…NG!!
正解はこちら!
店員「申し訳ございません。女の子の商品については、あちらでお聞きいただけますでしょうか?」
「うかがう」は謙譲語なのでNG。「聞く」の尊敬語は「お聞きになる」です。
2.二重敬語
社員「○○課長、お客様がお見えになられました。」…NG!!
正解はこちら!
社員「○○課長、お客様がお見えになりました。」
「おみえになる」で「来る」の尊敬語になります。語尾に「れる・られる」はつけません。
3.過剰な敬語
おコーヒー…NG!!
正解はこちら!
コーヒー
外来語には「お」はつけません。
「お」や「ご」は簡単につけていいものではないよ。一覧を紹介するね。
・つけると尊敬語になる言葉…お客、ご来店、ご自宅など。
・つけないと意味が異なる言葉…おかず、おふくろ、おばけなど。
・つけないと乱暴に聞こえる言葉…お化粧、お金、お昼など。
・長い言葉を短縮した言葉…おあげ(油揚げ)、おすまし(すまし汁)など。
・つけない言葉…外来語(コーヒーなど)、自然現象(雨など)
・自分の物や動作にはつけない。
*命令語・曖昧語*
1.命令語
「○○してください」のように、命令的な表現は相手に悪い印象を与えかねません!「○○していただけますでしょうか」のほうが印象が良くなります。
2.曖昧語
曖昧語はこんなにたくさんあるよ。
ひょっとしたら もしかしたら だいたい ○○かもしれません ○○だと思います たぶん おそらく ○○あたり 朝イチ 夕方 週末 今日中に
ほらね。こんなにいっぱいあるでしょ?他にもたくさんありますよ。
*若者言葉*
若者言葉は中高生から20代の若者がよく使う言葉。友達同士ではよくても、ビジネスではふさわしくありません。
相手に幼稚な印象を与えます。
代表的な言葉を紹介します。
○○で大丈夫ですか? ていうか 私的には ○○になっております ○○じゃないですか よろしかったでしょうか
こういった言葉をビジネスの場ではちゃんとした言葉に変えるべきです。例えば、「ていうか」は「ところで」、「私的には」は「私としては」が正解。
あと、語尾の発音をあげたり、伸ばしたりするのもNGです!
*言葉遣いをやわらかく*
1.否定語は肯定語に
否定語を肯定語に変えるだけで、相手の印象がよくなります。
「できません」→「いたしかねます」
「席にいません」→「席を外しております」
2.クッション言葉
相手に期待に反することや、言いにくいこと、こちらの意見を受け入れてもらいたい時は、クッション言葉を活用しましょう。
申し訳ございませんが おそれいりますが 失礼ですが 恐縮ですが ご迷惑かと存じますが お差支えなければ お手数をおかけいたしますが 大変勝手を申しまして恐縮ですが あいにくでございますが せっかくでございますが
これらのクッション言葉を使うことで、相手の人間関係が悪くなるのを防ぎます。
簡単のようで難しい敬語・言葉遣い、体で覚えながら使っていこうね。
*参考文献*
「はじめてのビジネス ビジネスマナー」 古谷治子著 インデックス・コミュニケーションズ
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