子どもは一人の人間。
でも、大人たちは子どものことを大人(親)につき従うもの、大人のおもちゃとしか見ていない人が多いです。
子どもは立場が弱く、大人に守ってもらうしかありませんが、子どもとしての権利もあります。
そこで「子どもの権利条約」を見ながら、子どもの人権について考えていきましょう。
長くなるので、何回かに分けてお送りします。
第1回目は「子どもの定義と人権の基本」についてです。
第1条(子どもの定義)
この条約の適用上、子どもとは、18歳未満すべてのものをいう。ただし、子どもに適用される法律の下で早く成年に達する場合は、この限りでない。
国際的な定義では18歳未満が子どもです!!
アメリカでは20歳、韓国では21歳が成人ですが、ほとんどの国が18歳が成人。
日本の場合は法律上では20歳が成人。しかし、日本では義務教育年齢を区切って、15歳を成人にするのです。これはおかしいと思いませんか?
6歳以下の子どもでは守られる存在。15~18歳未満の子どもは同じように守られる存在であるのにもかかわらず、「甘やかすな」とみなされて、放ったらかしにされる。反対に意見表明は15~18歳未満では優先されるのに、15歳未満では意見表明は認められない。
答えは「(義務)教育目標を達成するためにある程度の年齢の子どもに制約をつける」ことをしているのです。日本という国は。日本の子どもはすべての世代に対して不平等・不条理にしているのです。
子どもに年齢を区別して、管理することは絶対にいけません。日本はそれを正すべきです!!
他に、「子どもに適用される法律の下でより早く成年に達する」は、子どもが妊娠・出産したり、結婚したりすることでしょう。一部の発展途上国の場合は18歳未満の子どもでも結婚・出産する子はいます。これは国の慣習でもあります。しかし、先進国の場合は不純異性交遊で妊娠する場合が多いです。出産しても誰も相手にされなくなったり、子育てに疲れて、産んだ子どもを虐待したり、捨てたりする不幸な出来事が多いです。発展途上国でも同じことがあります。
日本の場合はそのケースは少ないのですが、好きでもない相手の子どもを作り、出産してすぐに捨てる事件が後を絶ちません。これは子ども本人も生まれた赤ちゃんもどちらも不幸になります。
日本は結婚できる年齢は男子が18歳ですが、女子は16歳なのが問題です。一部の人たちでは男女ともに18歳にしようという声もあります。
この条約では国際的に統一するために、子どもの定義は18歳未満にすることです。
第2条(差別の禁止)
1.締約国は、その管轄内にある子ども一人一人に対して、子どもまたは親もしくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、民族的もしくは社会的出身、財産、障害、出生またはその他の地位にかかわらず、いかなる種類の差別もなしに、この条約に掲げる権利を尊重しかつ確保する。
2.締約国は、子どもが、親、法定保護者または家族構成員の地位、活動、表明した意見または信条を根拠とするあらゆる形態の差別または処罰からも保護されることを確保するためにあらゆる適当な措置をとる。
法定保護者とは、祖父母や叔父・叔母、養父・養母、成人のきょうだいなどのこと。
1は子ども、親または法定保護者に対し、いかなる種類の差別を禁止しています。
しかし、日本では外国人、障がい者、貧困、宗教などが原因で、子どもとその親を差別をしています。海外でも肌の色や人種などによる差別が後を絶ちません。
子どもや家族に対し、誰一人みんな同じ。どんな理由であろうとも差別をしてはいけません。これはすべての人にも言えます。
2は各国が子どもや家族に対し、あらゆる形態の差別・処罰から守ってあげなければなりません。
第3条 (子どもの最善の利益)
1.子どもにかかわるすべての活動において、その活動が公的もしくは私的な社会福祉機関、裁判所、行政機関または立法機関によってなされたかどうかにかかわらず、子どもの最善の利益が第一次的に考慮される。
2.締約国は、親、法定保護者または子どもに法的な責任を負う他の者の権利および義務を考慮しつつ、子どもに対してその福祉に必要な保護およびケアを確保することを約束し、この目的のために、あらゆる適当な立法上および行政上の措置をとる。
3.締約国は、子どものケアまたは保護に責任を負う機関、サ-ビスおよび施設が、とくに安全および健康の領域、職員の数および適格性、ならびに職員の適正な監督について、権限ある機関により設定された基準に従うことを確保する。
1は子どもが生活する際にいかなる場所や活動でも、子どもの最善の利益が考慮されます。
2、3は子どもや家族に対し、最善の利益が行われるよう、行政機関等が責任をもって確保することです。
第4条 (締約国の実施義務)
締約国は、この条約において認められる権利の実施のためのあらゆる適当な立法上、行政上およびその他の措置をとる。経済的、社会的および文化的権利に関して、締約国は、自国の利用可能な手段を最大限に用いることにより、および必要な場合には、国際協力の枠組の中でこれらの措置をとる。
各国はこの「子どもの権利条約」において認められる権利の実施や法律の実施を義務付けられています。場合によっては各国との協力が不可欠になる場合があります。保留はいけません。
第7条 (名前・国籍を得る権利、親を知り養育される権利)
1.子どもは、出生の後直ちに登録される。子どもは、出生の時から名前を持つ権利および国籍を取得する権利を有し、かつ、できるかぎりその親を知る権利および親によって養育される権利を有する。
2.締約国は、とくに何らかの措置をとらなければ子どもが無国籍になる場合には、国内法および当該分野の関連する国際文書に基づく自国の義務に従い、これらの権利の実施を確保する。
1は子どもに名前や国籍、親を知る権利があります。親から養育される権利があります。
日本ではこういった権利侵害はほとんどないのですが、中国では「1人っ子政策」による少子化運動により、一番最初に生まれた子どもは出生の登録から教育、生活の権利が与えられますが、2人目以降に生まれた子どもは生まれても名前も国籍も公表しません。2人目以降の子どもが生まれたことがわかると、その親に罰が与えられるのです。
2人目以降に生まれた子どもは教育も生活も何の権利もありません。はっきり言って差別です!中国の農村部では男子の子どもがほしいために、生まれる子どもが女子であることがわかると、中絶をする親が後を絶ちません。農村部では男女の人口の差が激しいです。
中国は直ちに2人目以降の子どもに対しても、教育や生活などの権利を与えるべきです。これは「子どもの権利条約」に違反します!
(※注:今の中国では「1人っ子政策」による若者の人口減少で少子化問題になってしまったため、2人目の子どもも出生登録が可能になったそうです。農村部でも1人目は女子の出生が可能になったが、2人目は男子の出生でなければならないし、都市部を含めて、3人目以降の子どもの出生登録は認められていない。)
2はそれらが失った場合は、それを確保する必要があります。
1.締約国は、子どもが、不法な干渉なしに、法によって認められた国籍、名前および家族関係を含むそのアイデンティティを保全する権利を尊重することを約束する。
2.締約国は、子どもがそのアイデンティティの要素の一部または全部を違法に剥奪される場合には、迅速にそのアイデンティティを回復させるために適当な援助および保護を与える。
各国は子どものアイデンティティを保護される義務があります。
次回は「子どもと親」についてお送りします。
*参考リンク*
子どもの権利条約ネットワーク:http://www.ncrc.jp/
日本ユニセフ協会(子どもの権利条約):http://www.unicef.or.jp/crc/
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